Origami doctor's diary

歯科麻酔学会認定医試験勉強のアウトプット用ブログです。参考とした教科書や参考書、関係のない読書本も紹介します。

歯科用局所麻酔薬・化学構造から薬物動態までのまとめ

ほとんどの局所麻酔がベンゼン環を含む芳香族残基とアミノ基を有しており,分子量は概ね250~300程度.

芳香族が疎水性(脂溶性)で,アミノ基が親水性.

図のNを中心として考えると,R≡Nの状態となり,これを3級アミンorベースと呼ぶ.

局所麻酔は脂溶性が高いため,そのままでは水溶液中に存在できないため,塩酸塩としてある.この状態がR≡N・HCL.水溶液中でR≡N・H+で,4級アミンorカチオン.

局所麻酔薬のpH5~7,血管収縮薬添加でpH3~5.(酸性)

[pH]

組織は弱アルカリ性(pH=7.4)なので,H+が取れて,3級アミンとなる.

Ka=[H+][R≡N]/[R≡N・H+]

pH=pKa+log([R≡N]/[R≡N・H+])

よって,炎症組織中ではpHが低下し,3級アミンの量が減り,効果が減弱する.

[pKa]

pKaが小さいほど,解離しやすく3級アミンの割合が多く,作用発現が早くなる.

エステル型はpKaが大きく,作用発現が遅い.また,アレルギーの危険もあるため,臨床ではあまり使用されない.

脂溶性

脂溶性が大きいほど髄鞘を通過しやすいので,効力が大きく,作用時間が長い.

リドカインと比べてブピバカインは効力4倍.

[タンパク結合性]

タンパク質で構成されたNaチャネルに強く結合するため,効力が大きく,作用持続時間が長くなる.

通常,薬物の場合Albと非結合の遊離型が効力を発揮するが,局所麻酔の場合はNaチャネルがタンパク質で構成されている事がポイント.

 

薬物動態

[タンパク結合]

タンパク結合した局所麻酔薬は薬理学的に不活性(血漿中なのでその方が安全).低タンパク血症やアシドーシスではタンパク非結合型が増加する.→タンパク結合していないので心毒性が起きやすい.また,局所麻酔薬の血漿濃度が高くなるほどタンパク結合性が低下する.→より危険.

[臓器分布]

肺を通過する際に90%が一時的に組織内に抽出される.

代謝

エステル型

偽コリンエステラーぜにより加水分解.プロカインではp-アミノ安息香酸(PABA)に分解されるが,これがパラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)と構造が似ているためアレルギー反応を起こしやすい.

・ジブカインナンバー(他の記事参照)

・重症筋無力症では抗コリンエステラーゼを使用する(Ach分解を抑制し神経接合部でAchを増加させる)ので,エステル型を使用すると代謝が障害される.

アミド型

肝のミクロソームでシトクロームP-450で脱アルキル化される.

プロピトカインは加水分解によってo-トルイジンになるが,o-トルイジンはヘモグロビンの2価鉄を3価鉄に参加しメトヘモグロビンを産生.

代謝阻害

 シメチジン(H2ブロッカー):CYP阻害

 Caブロッカー:CYPで代謝

 BDZ系安定薬:CYPで代謝

 プロプラノロール(β遮断)

 心不全

 肝硬変

代謝促進

 フェノバルビタール(抗てんかん):酵素誘導

 カルバマゼピン、フェニトイン(抗てんかん、抗痙攣):酵素誘導

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