Origami doctor's diary

歯科麻酔学会認定医試験勉強のアウトプット用ブログです。参考とした教科書や参考書、関係のない読書本も紹介します。

ペインクリニック学会HP→歯科麻酔認定医試験・アミトリプチリンについて

第42回日本歯科麻酔学会認定医試験問題

その2

83.軸索反射によって分泌されるのはどれか.2つ選べ.
a. ヒスタミン
b. ブラジキニン
c. サブスタンスP
d. プロスタグランディン
e. カルシトニン遺伝子関連ペプチド

84.下行性疼痛抑制系に最も関与するのはどれか.1つ選べ.
a. ドパミン
b. ヒスタミン
c. セロトニン
d. アドレナリン
e. アセチルコリン

85.痛みの評価について正しいのはどれか.1つ選べ.
a. マギール疼痛質問票は,自己記入により痛みの質を評価する.
b. Face Rating Scaleは,顔色によって痛みの度合いを評価する.
c. モノフィラメント知覚テスターにより,疼痛閾値定量的に評価する.
d. Visual Analogue Scaleは,痛みの度合いを10段階で数値で評価する.
e. Numeric Rating Scaleは,痛みの度合いを100mmの直線を指し示してもらう事で評価する.

 

ペイン領域からの出題は多い.

教科書から答えを求められるものから無理なものまで混在.

85.は教科書だけでは回答する事不可能で,ペインクリニック学会のHPに詳しく載っていた.

そこで,ペインクリニック学会のHPからまとめていく.

 

●痛み(pain)は " An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damade, or discribed in terms of such damage"と定義される.

 

 

●痛みの部位による分類から

Q.体性痛に当たるのはどれか.A.化学刺激(セロトニン)による痛み

体表痛は熱刺激,機械刺激,化学刺激に分類され,化学刺激は名前だけを聞くと混乱しそう.

 Q.体性痛を起こす刺激について分類し、各受容体について簡単に説明せよ.

熱刺激:カプサイシンの受容体であるTRPV1

機械刺激:メルケル細胞に存在するPiezo2

化学刺激:ブラジキニンセロトニンヒスタミン,H+,プロスタグランジ

 

●原因による分類から

Q.痛みを原因によって2つに分け,それぞれについて簡単に説明せよ.

侵害受容性痛:熱刺激,機械刺激,化学刺激

神経障害性痛:体性感覚神経系に影響する病変あるいは疾病による直接的な結果としての痛み(帯状疱疹後神経痛

 

●痛みの評価から

Q.FRSはどのような患者に用いるか

A.小児や高齢者などVASやNRSで評価が難しい場合.0-5までの段階.

 

神経障害性疼痛から

Q.神経障害性疼痛スクリーニング質問票の項目として正しいのはどれか.

Q.神経障害性疼痛スクリーニング質問票のカットオフ値はどれか.

1) 針で刺されるような痛みがある

2) 電気が走るような痛みがある

3) 焼けるようなヒリヒリする痛みがある

4) 痺れの強い痛みがある

5) 衣類が擦れたり,冷風に当たったりするだけで痛み

6) 痛みの部位の感覚が低下したり,過敏になっていたりする

7) 痛みの部位の皮膚がむくんだり,赤や赤紫に変色したりする

の7項目で0~4点で回答,9点がカットオフ値

 

●頭部顔面痛より

Q.頭痛をきたす疾患を分類しいくつか例を挙げよ(分野別の物も含まれてるのでないか‥)

Q.組み合わせであってるのはどれか. (第一部ー三叉神経痛など)

第一部:一次性頭痛

 1片頭痛

 2緊張型頭痛

 3三叉神経・自律神経性頭痛

 4その他の一次性頭痛疾患

第二部:二次性頭痛

 5頭頸部外傷・障害による頭痛

  11頭蓋骨・頸・歯・口あるいはその他の顔面,頚部の構成組織の障害による頭痛あるいは顔面痛

第三部:有痛性脳神経ニューロパチー,他の顔面痛及びその他の頭痛

 13有痛性脳神経ニューロパチー及び他の顔面痛

 

ペインクリニック専門医認定試験2017

群発頭痛(第一部の3.以前は群発頭痛,最新のICD第3版βでは上記の三叉神経,自律神経性頭痛のはずだが)について正しいものを2つ選んでください.

a. インドメタシンに反応する

b. 発症年齢は60歳以上である

c. 発作頻度は10回以上/日である

d. 頭痛の持続時間は15~180分である

e. 落ち着きのない興奮した様子がみられる

 

Q.顔面痛をきたす疾患を3つ挙げ,そのうちの一つについて診断,治療について記せ

三叉神経痛

舌咽神経痛

中間神経痛(顔面神経痛)

三叉神経痛

詳細な問診を行い,痛みを誘発するトリガーポイントそ存在や,触れただけで電撃痛が走るなどの症状,痛みのないときは全く痛くない,など特徴的な症状があれば疑う.

病態としては,小脳橋角部での三叉神経の機械的な圧迫によるとされ,脱髄し,そこに感覚神経との短絡(エファプス)を形成することによるとされている.

そのため,MRIなどの画像診断が有用となる場合もある.あるいは,抜歯や腫瘍摘出などはっきり原因となる既往があるかの問診も重要.

治療としては,薬物療法テグレトールが第一選択薬.

あるいは,神経ブロック

 

●神経障害性痛について

Q.EQ-5Dでの「0」とは何を表すか

QOLの尺度で「0」が死亡「1」が健康な状態.神経障害性疼痛0.4-0.6,重症で0.2

 

Q.神経障害性疼痛の定義・病態について記せ

定義:末梢神経から大脳に至るまでの侵害情報伝達経路上に生じた病変や疾患によって末梢神経末端の侵害受容器の興奮がなくても神経情報伝達経路上に発火・応答が発現する.

病態:体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛

 

Q.神経障害性疼痛に対する学会推奨の薬物療法

第一選択:プレガバリン,ガバペンチン,デュロキセチン,アミトリプチリン,ノルトリプチリン

第二選択:ノイロトロピン,トラマドール

第三選択:フェンタニルモルヒネオキシコドン,ブプレノルフィン

 

オピオイドについて

Q.正しい組合せはどれか.(麻薬性非オピオイドケタミン,非麻薬性オピオイドーブプレノルフィン,ペンタゾシン

 

 

麻酔専門医試験56C16~17

帯状疱疹術後神経痛に対してアミトリプチリン25mg/dayを内服中.術中,QT延長あり,原因となりうる薬剤はどれか.

A.アミトリプチリン

→三環系抗うつ薬はQT誘発性の薬剤の一つ

準備しておくのはどれか.

a. アミオダロン

b. プロカインアミ

c. ベラパミル

d. マグネシウム

e. ランジオロール

 

先週,Brugada様心電図の患者管理の際に,”Brugada誘発薬剤を避ける”という

計画を立てたので,簡単にまとめておく.

・Brugada症候群:右側胸部誘導でcove型やsaddleback型の心電図所見.Na+チャネル遮断薬,Caブロッカー,β遮断薬,低カリウム血症などでST上昇する.propofol,ケタミン,ブピバカイン,リドカインはSt上昇や心室細動を誘発するため,セボなど吸入麻酔薬が推奨される.(SUMノートより)

心室細動にさせない!RonTにさせない!QT延長させない!

・QT延長症候群について

◆薬剤誘発性

不整脈薬:Ⅰ群(キニジン,プロカインアミド,ジソピラミドなど),Ⅲ群(アミオダロン,ニフェカラントなど)

向精神病薬:フェノチアジン系(クロルプロマジンなど),三環系抗うつ薬トリプタノール

抗生物質:エリスロマイシン,アマンタジンなど

電解質異常

低K血症,低Mg血症,低Ca血症

・QT延長の対応

①硫酸Mg iv:2gを数分で

②ペーシング:100bpmで

③イソプロテレノール(β刺激薬):100bpmを目標に

④K点滴静注:正常範囲でも4.5~5.0mEq/Lを目標に

⑤リドカイン静注:50~100mg静注

 

非常に難しい問題だと思う(麻酔専門医試験レベル,歯科麻酔認定医試験レベルではない?)

が,出題者がこの試験を見ながら問題を作ろうとした場合,帯状疱疹後神経痛神経障害性疼痛)やアミトリプチリン,QT延長など,トピックスがたくさんあるため,関連問題出題は十分ありうると考えられる.

 

2017救急科専門医試験問題

4.うつ病のため内服薬(アミトリプチリン)を処方されていた患者が,過量に内服し倒れていた.心電図異常が発生.

心電図異常が契機となって発生しやすい不整脈はどれか.

a. 心房粗動

b. 洞性不整脈

c. 洞不全症候群

d. 多形性心室頻拍

e. 完全房室ブロック

→QT延長→RonT→心室頻拍の流れ

やはり,歯科適応となった薬剤に関する問題出題は可能性が高いと思われる.