Origami doctor's diary

歯科麻酔学会認定医試験勉強のアウトプット用ブログです。参考とした教科書や参考書、関係のない読書本も紹介します。

CSHT : context-sensitive half time

第42回日本歯科麻酔学会認定医試験問題

その1

問3.静脈内へ薬物投与を行なった際の薬物動態の指標となるcontext-sensitive half time(CSHT)の定義を述べた上で,プロポフォールとレミフェンタニルのCSHTについて違いがわかるように説明せよ.

 

その2

34.図にチオペンタールケタミン塩酸塩,プロポフォールジアゼパムミダゾラムのCSHTを示す.ジアゼパムはどれか.

 

教科書P225,285,294

CSHT : Context-sensitive Half Time

状況感受性半減期

定義:一定の血漿濃度を維持するように薬物を持続静脈注射し,その後投与を中止した場合に,血漿薬物濃度が50%まで低下するのに必要な時間.

それぞれのページに載っている図はこんな感じ.全て同じデータとして作成したが,全てを合わせると非常に違いがわかりにくい.元の文献(millerなど)を見ると,もっと多くの薬剤が載っており,恐らく日本,歯科麻酔という枠組みで抜粋したものと思われる.

→それぞれのグラフに注目ポイントがあるということになる.

f:id:hakasenoorigami:20180517193650j:plain

P225.

propofolがいかにCSHTが短いかを説明するために出てきた図.

ミダゾラムでも長時間使い続けると1時間以上半減しない.

ミダゾラムベンゾジアゼピン系の中では圧倒的に早いので対比としてチオペンタールを.チオペンタールは1時間使うだけで1時間以上半減期かかるので使いづらい.

fentanylは1,2時間は良いが,3時間で100分を超え,そこからの蓄積具合が多い.

propofolの8時間持続静注で40分未満がいかに早いか.

fentanylとチオペンタール

NLAドロペリドールとfentanyl),NLA変法(ベンゾジアゼピン系や非オピオイド)からきているのかもしれない.

Q.図の中でチオペンタールを示すのはどれか.

昨年の問題からチオペンタールはわかるよね?でも,グラフの軸が異なるから勉強していないと答えられないよ,という問題.

f:id:hakasenoorigami:20180517193641j:plain

P285.

問題出題の図

この図が問題として出て来ても,propofolの8時間で40分くらいしかわからなかった.

改めて見てみると,注目するポイントは

・CSHTの軸が最大値150分であり,先ほどの図とは異なる.

プロポフォールとほぼ同様の動きをする薬物が1つ存在し,それは明らかにミダゾラムではない.(ミダゾラムであれば,臨床使用がもっと多いはず.)

・その薬剤は何らかの問題があり,あまり臨床使用されていないもの

ケタミン(悪夢や頭蓋内圧亢進,血圧・心拍数・眼圧上昇,小児での気道分泌・唾液分泌の亢進)

・残った2つのうちどちらが作用時間長いかを問う問題.

チオペンタールはバルビツール系では超短時間作用性.GA導入で使用する薬剤,ボーラスで1時間くらい効いているイメージ.

一方ジアゼパムベンゾジアゼピン系の中で,ミダゾラムよりも作用時間長く,使用しづらい.0.2mg/kg投与で120分以上の経過観察が必要であることから.図とリンクさせる.

実は良問なのかもしれない.数ある原著の薬物の中からピックアップした薬剤にはそれぞれ意味があるため.また,考えながら答えにたどり着ける可能性があるため.

f:id:hakasenoorigami:20180517193655j:plain

P294.

レミフェンタニルがいかに消失早いかを示すために使用されている図.

アルフェンタニルとスフェンタニルを答えさせる問題が出題されれば,難問だと思うが,図が教科書に載っており,CSHTについて,昨年2題出題されていることから,当然勉強しているだろうという考えで出題の可能性はある.

・上顎と下顎の成長曲線に似ており,アル=R=隆さん(上顎前突の友人)と覚えることにしよう.

 Q.アルフェンタニルはどれか.

CSHTちゃんと勉強した?これくらい細かいとこも聞くよというイジワル問題.

 

ちなみに,P225の下の注にCSHTをCHSTと間違い表記あり,これは間違いだろうと思うが,索引でもCSHTとCHSTがそれぞれ載っており,医歯薬の編集者は気づかなかったのだろうか‥