Origami doctor's diary

歯科麻酔学会認定医試験勉強のアウトプット用ブログです。参考とした教科書や参考書、関係のない読書本も紹介します。

オピオイドの副作用

代表的には便秘と悪心嘔吐.

 

1)便秘

モルヒネがμ受容体を活性化することによって胃腸管の緊張を亢進させ,運動を抑制することと考えられている.

μ受容体にはμ1とμ2の二つが存在

μ1:脳内で鎮痛に関与

μ2:脊髄鎮痛や消化管に作用

モルヒネに比較しフェンタニルではμ1の選択性が高いため,μ2の活性化が抑制され便秘の頻度は減少している.

Q.オピオイド使用時の副作用に便秘があるが,これの原因として考えられる受容体はどれか.フェンタは副作用少ないので,実際には問題にあまりならないが,問題としては出しやすい.麻薬拮抗性鎮痛薬などでも受容体は重要なので,μ1が鎮痛と覚えておくのがbetter.

ペインクリニック専門医認定試験2017

μ1オピオイド受容体が関与するものを2つ選べ.

a.鎮静

b.鎮痛

c.便秘

d.悪心・嘔吐

e.  呼吸抑制

 

 

2)悪心・嘔吐

オピオイド使用患者の50~70%に生じる.特に使用開始時や増量時に生じやすい.比較的早期に耐性が形成され2週間ほどで症状が消失することが多い.

 

そもそも悪心・嘔吐は,CTZが関与していると言われており,CTZには5-HT3,M1,H1,D2レセプターが存在する.

 

ペインクリニック専門医認定試験2017

制吐作用に関与する受容体として,正しいものを2つ選んでください.

a. ドパミン(D2)受容体

b. κオピオイド受容体

c. ヒスタミン(H4)受容体

d. α2アドレナリン受容体

e. セロトニン(5-HT3)受容体

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治療薬は,中枢性制吐薬,末梢性制吐薬,中枢性・末梢性制吐薬に分類される.

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一方で,オピオイドとは関係のない悪心・嘔吐も存在するため鑑別は重要.

例えば,

癌の消化管への転移に伴う消化管閉塞→消化器症状→胃管やオクトレオチド

癌患者での高Ca血症に伴う悪心・嘔吐→ビスフォスフォネート製剤

・オクトレオチド:向下垂体前葉ホルモン.消化管ホルモンを抑制する.

・高Ca血症:癌による骨吸収=Ca放出→BP製剤=破骨細胞に取り込まれ,

破骨細胞アポトーシスを起こし,骨吸収抑制=Ca放出抑制

 

Q.嘔吐・悪心の原因とされるCTZに含まれる受容体はどれか.全て選べ.

ムスカリン1は,脳・腺・交感神経に分布.心臓では洞房結節に作用し心拍数低下.消化器では消化液分泌促進.血管平滑筋拡張し血圧低下.眼は縮瞳し眼圧低下.

アトロピンはM1ブロック=唾液分泌抑制なので関連づけて覚える

ヒスタミン1は,H1,2ブロッカーの違いから覚える.

H2blocker:前投薬.胃液量を減少させ誤嚥性肺炎を予防.
H1blocker:抗ヒスタミン薬.アレルギーの中でⅠ型(アナフィラキシー型)は抗原+IgE抗体が肥満細胞等のIgE受容体に作用し,ヒスタミンセロトニン,ロイコトリエンを放出するのが契機.ヒスタミンには血管拡張作用があるのでこれによりくしゃみや鼻水が出る.抗ヒスタミン薬は中枢神経を抑制し,鎮静や催眠作用などの副作用.
5-HT3はセロトニン

Q.癌患者で高Ca血症になった場合どのような薬剤で対応するか.また,そのメカニズムは.教科書にちらっと書いてあるだけだが,BP製剤もオピオイドと悪心・嘔吐も出る可能性のある分野.理屈が理解できれいれば大丈夫.

 

painが出題される可能性が高い中で,癌性疼痛に対するオピオイドと悪心・嘔吐は,臨床とリンクする部分もあるため,教科書でpainの方に記載されている内容は出題される可能性十分あり.